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チャイルドシートの選び方と車への適合

この記事の要点

  • 使用義務は6歳未満で、免除は施行令が定める8つの場合だけです。
  • R129(i-Size)は身長、R44は体重を区分の基準にしています。
  • 取付けミスで最も多いのは「腰ベルトの締付け不足」。しっかり取付けは77.6%でした。
  • 適合は、メーカーの車種別適合表と、車・チャイルドシート双方の取扱説明書で確認します。
  • 警察庁は、チャイルドシート不使用者の致死率は適正使用者の約5.3倍としています。

チャイルドシートは子どもの体格に合っていることと自分の車に取り付けられることの 両方がそろって初めて安全に使えます。ここでは使用義務と免除規定・体格区分・安全基準(R129とR44)・ 取り付け方式・実際に起きている取付けミスを、法令(e-Gov)・警察庁・国土交通省・NASVA の一次情報だけで整理します。

はじめにお読みください:本ページは公表資料の解説です。特定の製品が特定の車・座席に適合するかどうかは、当ページでは判断できません。必ずチャイルドシートメーカーの取付確認車種リスト(車種別適合表)とチャイルドシート・車それぞれの取扱説明書で確認してください。

使用義務は6歳未満(道路交通法第71条の3第3項)

「自動車の運転者は、チャイルドシートを使用しない6歳未満の幼児を乗せて、運転してはならないことが決められています(道路交通法第71条の3第3項)」(警察庁)

条文そのものは、装置の要件まで書き込んでいます。

「自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。…)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。」(道路交通法第71条の3第3項)

ポイントは「道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し」の部分です。 つまり保安基準に適合していない“チャイルドシートのようなもの”を使っても、義務を果たしたことにはなりません。 国土交通省も、シートベルト補助装置についてこう答えています。

「6歳未満の幼児には保安基準適合品が必須です。補助装置がチャイルドシートの保安基準に適合していなければシートベルトを使用していたとしても、チャイルドシート使用義務を履行したことにはなりません。」(国土交通省)

6歳以上については、次のとおりです。

  • 警察庁は 「6歳以上の子供であっても、体格等の事情により、シートベルトを適切に着用させることができない場合は、チャイルドシートを使用しましょう。」 と案内しています。
  • 国土交通省は、大人向けのシートベルトへ移行してよいかの判断材料として、 公益財団法人 国際交通安全学会の「the 5-Step Test」日本語版を関連リンクに挙げています (同学会の説明では「子どもがシートベルトだけで安全に座れるかどうかを判断するためのテスト」)。

使用義務が免除される8つの場合(施行令 第26条の3の2 第3項)

「やむを得ない理由」は運転者が自由に判断できるものではなく、道路交通法施行令に列挙された8号がすべてです。

号免除される場合補足
一その構造上幼児用補助装置を固定して用いることができない座席において幼児を乗車させるときただし「当該座席以外の座席において当該幼児に幼児用補助装置を使用させることができる場合を除く」。付けられる席が他にあるなら、そちらに付ける。
二運転者席以外の座席の数以上の人数を乗せるため、乗せる幼児の数だけの幼児用補助装置をすべて固定できないとき固定できない数の幼児が対象。定員(法第57条第1項)を超えない場合に限る。
三負傷又は障害のため幼児用補助装置を使用させることが療養上又は健康保持上適当でない幼児を乗車させるとき法第71条の3第3項ただし書は「疾病のため…療養上適当でない幼児」を本文で挙げている。
四著しく肥満していることその他の身体の状態により適切に幼児用補助装置を使用させることができない幼児を乗車させるとき「体格が大きいから免除」ではなく、適切に使用できない身体の状態が要件。
五運転者以外の者が授乳その他の日常生活上の世話を行っている幼児を乗車させるとき条文上は「幼児用補助装置を使用させたままでは行うことができないものに限る」。世話が終われば戻す前提の規定。
六道路運送法第3条第1号に掲げる一般旅客自動車運送事業の用に供される自動車の運転者が、当該事業に係る旅客である幼児を乗車させるときタクシー・バスなど。運転者側に装置を備える義務は生じない。
七道路運送法第78条第2号又は第3号に掲げる場合に該当して人の運送の用に供される自動車の運転者が、当該運送のため幼児を乗車させるとき「特定の者の需要に応じて運送の用に供されるものを除く」。
八応急の救護のため医療機関、官公署その他の場所へ緊急に搬送する必要がある幼児を、当該搬送のため乗車させるとき緊急搬送の例外。

出典:e-Gov法令検索 道路交通法施行令 第26条の3の2 第3項(見出しは「座席ベルト及び幼児用補助装置に係る義務の免除」)。 同条第1項・第2項は運転者と同乗者のシートベルトに関する免除規定で、幼児用補助装置の免除は第3項です。

体格で選ぶ:乳児用・幼児用・学童用

区分体重身長年齢の目安向き
乳児用
ベビーシート
10kg未満 又は 13kg未満70cm以下新生児〜1歳くらい後ろ向き、または横向き(ベッド型)
幼児用
前向き専用
9〜18kg以下65〜100cm1〜4歳くらい前向き
学童用
ジュニアシート
(公表資料に記載なし)150cm以下4〜12歳くらい車の座席ベルトを使う

出典:NASVA「チャイルドシートの使い方」/国土交通省 自動車総合安全情報。対象の体重・身長・年齢は目安です。

学童用について、NASVAは「座面を上げて腰ベルトの位置を腰部に合わせることにより、大人用のシートベルトが使えるようにするものです。」と説明し、 あわせて「学童用チャイルドシートの性能は車両のシートベルトの性能によるものが大きいこともあり、アセスメントの対象としていません。」としています。 つまり学童用には公的な安全性能評価の点数が存在しません。製品比較の材料が乳児用・幼児用とは違う点に注意してください。

国土交通省は「3歳半の子供なのですが、ジュニアシートでは駄目ですか。」という問いに、 「体重や身長に合ったものを使用してください。小さなお子様がジュニアシートを使用すると、シートベルトをすり抜けたり、腹部を圧迫したりするなど危険な状態となることがあります。」と答えています。

安全上の重要な注意:国土交通省は 「特に助手席にエアバッグが装備されている場合に助手席に後ろ向きチャイルドシートを取り付けることは、きわめて危険ですので絶対にやめましょう。」 としています。協定規則第129号も、後ろ向きの装置について 「アクティブな前面エアバックを取り付けた着座位置では使用しないように顧客に勧告するものとする。」と定めています。 チャイルドシートはできるだけ後部座席に取り付けてください(国土交通省)。

安全基準:R129(i-Size)と R44 の違い

日本の保安基準は、国連の協定規則(UN-R)を取り込む形で作られています。チャイルドシートに関係するのは協定規則第44号(旧基準・R44)と協定規則第129号(新基準・R129/i-Size)です。

R44(協定規則第44号)R129(協定規則第129号/i-Size)
子どもの区分質量(体重)で5つの「質量グループ」に分類身長。「「サイズ」は、年少者用補助乗車装置が設計され認可される対象の幼児の身長を示す。」(規則2.8)
固定方式シートベルト固定・ISOFIXの両方「固定方式がISO-FIX固定方式のみとなりました」(NASVA)。規則の適用範囲も一体型汎用ISOFIXと一体型「特定車両用ISOFIX」
衝突試験前後からの衝撃基準「これまでの前後からの衝撃基準だけでなく、側面からの衝撃基準の追加」(NASVA)
後ろ向きの扱い(月齢による一律の規定なし)「月齢15カ月未満の幼児に対しては、横向き又は後向きの年少者用補助乗車装置のみを使用するものとする。」(規則6.1.3)
製品への表示製造年(ベルト・ハーネスを除くプラスチック製部品に)。座席ベルトで固定する製品はベルトの通し方を色分け(前向き=赤、後ろ向き=青)(規則4.2・4.3)製造年、i-Sizeロゴ(最小25×25mm)、センチメートル単位のサイズ範囲、キログラム単位の最大乗員質量(規則4.2・4.6)
前向き使用の警告(同種の規定なし)梱包外側に「重要—幼児の月齢が15カ月を超えるまで、前向きで使用しないものとする。(説明書参照)」(規則14.3.3)

出典:国土交通省が公表する協定規則第44号・第129号の和文、NASVA「チャイルドシートの使い方」。

R44の「質量グループ」(体重区分)

R44は「年少者用補助乗車装置は5 つの「質量グループ」に分類される。」として、次の5区分を置いています。

グループ対象
グループ010 kg 未満
グループ0+13 kg 未満
グループI9 kg から18 kg まで
グループII15 kg から25 kg まで
グループIII22 kg から36 kg まで

出典:国土交通省 協定規則第44号 和文 2.1.1.。R44のISOFIX対応品はさらに ISO/F3、ISO/F2、ISO/F2X、ISO/R3、ISO/R2、ISO/R1、ISO/L1、ISO/L2 の 7種のISOFIXサイズ等級に分類されます(同 2.1.1.6.)。車の取扱説明書に「ISO/R2まで」のように書かれている場合、この等級を指しています。

日本での適用時期(法令で確認できる範囲)

時期内容根拠
平成12年4月1日
(2000年)
6歳未満の乳幼児へのチャイルドシート使用が義務化国土交通省 自動車総合安全情報
2006年10月チャイルドシートに関する基準の見直し。協定規則第44号(第4改訂版)と整合化され、共通取付具(ISO-FIX)で固定するタイプが市販されるNASVA
平成24年7月1日
(2012年)
乗用自動車に年少者用補助乗車装置取付具(ISOFIXアンカレッジ)が必要に。「平成24年6月30日以前に製作された専ら乗用の用に供する自動車…については、保安基準第22条の5第1項の規定は、適用しない。」保安基準 第22条の5第1項/適用関係整理告示 第22条第3項
2013年9月協定規則第129号(改良型幼児拘束装置)が始まるNASVA
令和5年8月31日まで
(2023年)
令和3年8月31日以前に製作(または同日以前に型式指定)された装置は、R129の規定をR44に読み替えることができる経過措置適用関係整理告示 第22条第14項
2023年9月1日「UNR129の適用開始に伴い、UNR44認可機種は2023年9月1日以降製造不可(継続生産されていた機種も含む)となった。」国土交通省 自動車アセスメント評価検討会 資料

現行の基準本体は、細目告示が 「年少者用補助乗車装置の構造、操作性能等に関し、保安基準第22条の5第3項の告示で定める基準は、協定規則第129号の規則4.、6.及び7.に定める基準とする。」 と定めています(第110条第2項)。

なお座席に組み込まれたタイプ(内蔵シート)については、令和8年8月31日以前に製作された、または同日以前に型式指定を受けたものに R44への読み替えを認める規定が別に置かれています(適用関係整理告示 第22条第15項)。

「Eマーク」と未認証チャイルドシート

「チャイルドシートの現行の安全基準に適合しているものには、製品にEマークが添付されています。このマークを確認して購入するようにしましょう!」(国土交通省)

国土交通省は、Eマークに併記される種類の表記として次を挙げています。買おうとしている製品がどの区分なのかは、ここで読み取れます。

チャイルドシートの種類表記
アイサイズ汎用ISOFIX[i-Size universal ISOFIX]
特定車両用ISOFIX[Specific Vehicle ISOFIX]
汎用ベルト固定式[Universal Belted]
特定車両用ベルト固定式[Specific Vehicle Belted]
アイサイズブースターシート[i-Size Booster seat]
特定車両用ブースターシート[Specific Vehicle Booster seat]
汎用ブースタークッション[Universal Booster cushion]
特定車両両ブースタークッション[Specific Vehicle Booster cushion]

出典:国土交通省「チャイルドシートコーナー」。表記に Specific Vehicle(特定車両用)と付くものは、メーカーが認可を取った特定の車種でしか使えないことを意味します。ここでも適合表の確認が要ります。

未認証品の実測結果:国土交通省は 「インターネット通販において、国の安全基準に適合している事を示すマークが表示されていないチャイルドシート(未認証チャイルドシート)が販売されている事を受け、実際に販売されている7製品を購入して、検証を行ったところ、国の安全基準に適合していないことを確認しました。」 と公表しています。同省は「「補助用具」等と表示された商品は基準に適合していない場合があります。」ともしています。 型式指定を受けたものは「チャイルドシートの背面や側面に型式指定マークが貼り付けられています」(国土交通省)。

取り付け方式:ISOFIX と シートベルト固定

「ISO-FIXチャイルドシート対応の共通取付具が座面の奥に付いている座席です。シートベルトを使用せず、共通取付具でチャイルドシートを座席に固定することで、誰でも簡単・確実に取り付けることができます。」(NASVA)

ISOFIXは金具2点だけでは固定が完結しません。NASVAは 「下部を支えるサポートレッグ、または、上部から支えるトップテザーによりぐらつきをなくし、しっかりと固定します。」と説明しています。 協定規則第129号でも、「ISOFIX 汎用」はトップテザーか脚部保護装置(サポートレッグ)のいずれかで構成されるものとして、 装置の回転(ピッチ回転)を制限する手段が前提になっています。

ISOFIX固定シートベルト固定
固定する相手座面の奥の共通取付具(アンカレッジ)+トップテザー又はサポートレッグ車の座席ベルト(3点式が基本)
対応する車2012年7月以降に市販された乗用車(乗車定員10人未満)には共通金具が必ず装備。それ以前の車にも装備車あり(NASVA)座席ベルトのある座席。ただし「市販のチャイルドシートの多くは、2点式シートベルトに対応していません」(NASVA)
ミスユース「取り付けが簡単なことから、自動車のシートベルトを用いて座席に固定するタイプに比べ、取り付け時のミスユースが少ないとされています」(NASVA)「誤った取り付けによる使用(ミスユース)が多く、その状態では、本来の安全性能を発揮できないことがあります」(NASVA)
2026年調査での実使用ISO-FIX固定(コネクター) 58.8%シートベルト 41.2%

実使用の割合は警察庁/JAF「チャイルドシート使用状況全国調査(2026)」の着座状況調査(n=651)より。

ベルトの通し方は色で決まっています。協定規則第44号は、成人用座席ベルトで固定する製品について 「拘束装置を成人用座席ベルトで固定する場合には、ウェビングのルートを、製品上で色分けして明瞭に表示するものとする。装置が前向きに装着されるときに用いる座席ベルトのルートの色は赤とし、後向きに装着されるときには青とする。」と定めています。 迷ったら、本体の赤/青の表示に合わせてください。

シートベルト固定なら「ALR」を使い切る

シートベルトで固定する場合、車側の巻き取り装置の種類で締まり方が変わります。NASVAは 「チャイルドシート固定機能付シートベルト(ALR(自動ロック)付きELR式シートベルト)」について 「通常はELR機能ですが、シートベルトをすべて引き出せば自動ロック式(ALR機能)に切り替わり、巻き込み方向にのみ動きますが引き出せなくなります。」と説明しています。

国土交通省も「「チャイルドシート固定機能付シートベルト」が付いている自動車の場合(後部座席の左右が多い)は、チャイルドシートを取り付けた後シートベルトをすべて引き出し、ALR機能を作動させましょう。」としています。

NASVAの警告:「子どもをシートベルトで遊ばせないで下さい。ALR機能に切り替わり、首や体に絡まった場合、ベルトがゆるめられなくなり、窒息などの重大な傷害を受けるおそれがあります。」

後付けのISOFIX取付金具は使わない

国土交通省は、ISOFIXアンカレッジの強度や取付位置を保安基準(第22条の5第2項)で定めたうえで、こう注意喚起しています。

「現在、この基準に適合していないおそれがある「後付けISOFIX取付金具」が流通しております。…最悪の場合は座席からチャイルドシートごと放出され、車外へ飛び出してしまうおそれがあるなどの危険性が考えられます。そのため、基準に適合していることが確認できないものは使用しないようにお願いいたします。また、ISOFIX取付金具が装備されていない車両にはシートベルトで取付けするチャイルドシートをご使用ください。」(国土交通省)

正しく取り付けられているか:全国調査で分かっている“外し方”

警察庁と一般社団法人日本自動車連盟(JAF)は、2026年5月9日から5月31日までの間に チャイルドシート使用状況の全国調査を実施しました(使用状況調査=全国99箇所・12,914人/10,202台、 取付け状況調査=434シート、着座状況調査=651人)。使用率は上がっても、正しく使えている割合はまだ低いというのが結果です。

使用率と、使っていない場合の内訳(2026年)

年齢層n使用車両シートにそのまま着座チャイルドシートにそのまま着座大人用シートベルト着用保護者の抱っこ
1歳未満1,86994.8%0.3%0.7%0.2%4.0%
1歳〜4歳8,58386.9%5.4%3.6%2.2%1.8%
5歳2,46265.7%14.8%4.8%14.3%0.4%
6歳未満 全体12,91484.0%6.5%3.4%4.2%1.9%

警察庁は全国平均について「全国平均の使用率は84.0% (前回比+1.6ポイント)となっています。」とし、 年齢層別では「5歳児の使用率は他の年齢層と比べて低くなっています。」と指摘しています。 表のとおり5歳では14.3%が大人用シートベルトのみで、これは幼児の体格には設計されていない使い方です。 乗車位置別では、後部座席の使用率86.0%に対し助手席は68.6%でした。

「使っている」の中身:取付けと着座

区分しっかり取付けしっかり着座
乳児用83.8%(n=210)59.0%(n=210)
幼児用71.9%(n=224)52.2%(n=224)
学童用—(調査対象外)65.0%(n=217)
合計77.6%(n=434)58.7%(n=651)

取付け状況調査の対象は乳児用・幼児用に限られています(警察庁/JAF)。

取付け時のミスユース内訳

ミスユースの内容乳児用(n=38)幼児用(n=73)
腰ベルトの締付け不足(張力50N未満)47.4%57.5%
サポートレッグの調節不良23.7%11.0%
座席ベルトの通し方間違い7.9%12.3%
ロアアンカーの接続不良7.9%2.7%
車両シートに置いただけ5.3%4.1%
固定金具等の不備・誤使用—2.7%
車両座面形状との不適合—2.7%
トップテザーの調節不良2.6%—
バックル側の不適合2.6%1.4%
座席ベルトの長さ不足—1.4%
その他2.6%4.1%

「—」は公表グラフに項目が表示されなかったもの。ミスユース数は1台に対し複数計上される場合があります(警察庁/JAF)。

同調査は「腰ベルトの締付け不足」が乳児用・幼児用ともに一番多いミスユースだとして、 「膝などを使って体重をかけ、車の座面にチャイルドシートを沈み込ませて、シートベルトでしっかりと取り付けましょう!」と助言しています。 仕上がりの目安は国土交通省の「上端部に前方向に力を加えても大きく動かないよう(約3cm以下が目安)」です。

着座時のミスユース内訳

ミスユースの内容乳児用(n=121)幼児用(n=140)
ハーネスの締付け不適正52.1%47.9%
ハーネスの高さ調節間違い12.4%19.3%
体格不適合17.4%15.0%
ハーネスのよじれ・ねじれ14.9%12.9%
背もたれ角度の不適切2.5%—
その他0.8%5.0%

「背もたれ角度の不適切」は乳児用だけのチェック項目です(警察庁/JAF)。

学童用シートにおける着座時のミスユース(n=99)割合
座席ベルトのよじれ・ねじれ20.2%
肩ベルトの通し方間違い19.2%
腰ベルトの通し方間違い18.2%
体格不適合17.2%
肩ベルトガイドの誤使用11.1%
肩・腰(両方)ベルトの通し方間違い6.1%
その他8.1%

上位に並ぶのは、いずれも協定規則第129号が取扱説明書に書かせている内容そのものです。R129は使用説明について、次のように定めています。

  • 「拘束装置を車両に固定する帯部は緩みがないようにすべきであること、脚部保護装置は車両フロアと接触させるべきであること、幼児を拘束する帯部を幼児の身体に合わせて調節すべきであること、及び帯部がよじれないようにすべきであることを推奨するものとする。」
  • 「骨盤がしっかりと拘束されるように、必ずラップ帯部を低く下げて着用させることが重要である旨を強調する。」

ハーネスの締め・よじれ・腰ベルトの位置は、規則が明示的に注意を促している急所です。

NASVAのチャイルドシートアセスメント(公的な試験結果の読み方)

国土交通省とNASVAは2001年度からチャイルドシートアセスメントを実施しており、 「市販のチャイルドシートについて前面衝突試験と使用性について評価試験を行い、その結果を安全性能評価として公表しています。」 試験は「一般の量販店で普通に購入してきたチャイルドシート」を使っています。

前面衝突試験の総合評価条件
優◎が4つの場合(×が1つでもある場合は除く)
良◎が3つ、○が1つの場合(×が1つでもある場合は除く)
普「優」「良」および「推奨せず」に該当しない場合
推奨せず評価項目の中で1つでも×があった場合
「「推奨せず」は、より高い安全性能を評価する本試験の観点からは、推奨するに至らないことを表しており、使用不可という意味ではありません。試験対象とした製品は、全て安全基準に適合しており一定レベルの安全性は確保されています。」(NASVA)

幼児用の4項目と、◎(最良)の基準は次のとおりです。

評価項目(幼児用)◎の基準
A 衝突によるチャイルドシート取付部等の破損チャイルドシート取付部等の破損がない
B 衝突によって胸部に生じる力(胸部合成加速度)胸部合成加速度 ≦ 588m/s2(60G)
C 衝突時の頭部の前方への移動量頭部移動量 ≦ 525mm
D 衝突によって頭部に生じる力(頭部合成加速度)頭部合成加速度 ≦ 637m/s2(65G)

このほか「衝突時に生じたその他の事象」として、バックルの解離、本体が座席ベルトから放出、 ハーネスが腹部等身体の弱い部分を圧迫すること(腹部圧力115kPa超)などが評価されます。 試験速度は時速55km(国の安全基準の速度の1割増)です。

使用性評価試験は「項目ごとに5 点満点で点数をつけて、各項目の合計点で評価します」とされ、2015年以降は25点満点の合計点で表示されます (2014年以前は5点満点の平均点)。評価対象には取扱説明書のわかりやすさ、本体表示、 トップテザー/サポートレッグの操作性、車への装着性などが含まれます。

なお現行のアセスメント試験方法はR44をベースに策定されたもので、国土交通省はR129対応の前面衝突試験方法および 側面衝突試験方法について、令和8年度(2026年度)を最短とする導入スケジュール案を示しています。

いちばん大事:車種別適合表で確認する

「汎用型(ユニバーサル型)のチャイルドシートであっても、すべてのチャイルドシートが全ての自動車に取り付けられるわけではありません。」「チャイルドシートメーカーなどから出されている「車種別チャイルドシート適合表」などを参考に取り付けられるかどうかを確認して、自分の自動車に適合したチャイルドシートを選びましょう。」(国土交通省)

i-Size(R129)についてNASVAはさらに具体的で、 「i-Size チャイルドシートは、自動車の取扱説明書にi-Size の記載がある座席の他、チャイルドシートメーカーが適合を確認した自動車の座席に取り付けられる場合がありますので、詳しくは、チャイルドシートメーカーにお問い合わせください。」としています。

メーカー側も同じ案内で、コンビは 「ご使用の際は、必ず取付確認車種リストおよび車両の取扱説明書でISOFIX(アイソフィックス)チャイルドシートに適合しているか確認してください。」 と明記しています。

確認の順番をまとめると、次のようになります。

  1. 子どもの身長・体重・月齢を測る(R129は身長、R44は体重が区分の基準)。
  2. 製品のEマークと種類の表記(i-Size universal ISOFIX/Specific Vehicle ISOFIX/Universal Belted など)を確認する。
  3. 車の取扱説明書で、その座席がISOFIX対応か、i-Size対応か、トップテザーアンカーがあるかを確認する。
  4. チャイルドシートメーカーの取付確認車種リスト(車種別適合表)で、自分の車種・年式・座席位置を確認する。
  5. 取り付け後に、前方向へ力を加えても大きく動かない(約3cm以下が目安)ことを確かめる。

なお国土交通省は、届出のあったチャイルドシートのリコール・改善対策の一覧を公表しています (直近は令和7年9月18日届出、株式会社カーメイト「エールベベ」)。中古品を譲り受けるときや長く使っている製品は、 あわせて確認しておくと安全です。

よくある質問

チャイルドシートは何歳まで義務ですか?

6歳未満です。道路交通法第71条の3第3項が、幼児用補助装置を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならないと定めており、同法上の「幼児」は6歳未満の者です。警察庁は「6歳以上の子供であっても、体格等の事情により、シートベルトを適切に着用させることができない場合は、チャイルドシートを使用しましょう。」としています。国土交通省は、新生児であっても自家用車で病院から退院する場合はチャイルドシートを使用しなければならないと案内しています。

チャイルドシートを使わなくてよいのはどんなときですか?

道路交通法施行令第26条の3の2第3項が8つの場合を定めています。構造上固定できない座席に乗せるとき、座席数の関係で全員分を固定できないとき、負傷・障害のため療養上または健康保持上適当でないとき、著しく肥満しているなど身体の状態により適切に使用させられないとき、運転者以外の人が授乳その他の日常生活上の世話をしているとき、タクシーやバスなど一般旅客自動車運送事業の車に旅客として乗せるとき、道路運送法第78条第2号・第3号に当たる運送のとき、応急の救護のため緊急に搬送する必要があるときです。

R129(i-Size)とR44は何が違いますか?

区分の基準と固定方式が違います。協定規則第44号は子どもを質量(体重)で5つのグループに分けますが、協定規則第129号は身長で区分します。NASVAは「新安全基準である規則第129号(i-Size)では、チャイルドシートの固定方式がISO-FIX固定方式のみとなりました」「これまでの前後からの衝撃基準だけでなく、側面からの衝撃基準の追加」と説明しています。R129では月齢15カ月未満の幼児には横向きまたは後ろ向きの装置のみを使うこととされています。

今持っているR44のチャイルドシートはどうなりますか?

国土交通省の自動車アセスメント評価検討会資料には「UNR129の適用開始に伴い、UNR44認可機種は2023年9月1日以降製造不可(継続生産されていた機種も含む)となった」と記載されています。すでに所有しているR44適合品を使い続けてよいかについては、公的機関の資料で明確な案内を確認できなかったため、当ページでは判断を示しません。製品の取扱説明書とメーカーにご確認ください。なお2026年の全国調査(着座状況調査651人)では、実際に使われていたチャイルドシートの40.1%がR44、59.9%がR129でした。

ISOFIXならどの車にも付きますか?

いいえ。ISOFIXの金具を備えた車でも、すべてのISOFIXチャイルドシートが付くわけではありません。コンビは「ご使用の際は、必ず取付確認車種リストおよび車両の取扱説明書でISOFIX(アイソフィックス)チャイルドシートに適合しているか確認してください。」と案内しています。チャイルドシートメーカーの取付確認車種リスト(車種別適合表)と車の取扱説明書の両方で、自分の車種・座席に適合するか必ず確認してください。

ISOFIXの金具が付いていない車です。後付けの金具は使えますか?

国土交通省は、保安基準に適合していないおそれがある後付けISOFIX取付金具が流通しているとして「基準に適合していることが確認できないものは使用しないようにお願いいたします。」と注意喚起し、「ISOFIX取付金具が装備されていない車両にはシートベルトで取付けするチャイルドシートをご使用ください。」としています。

取り付けたあと、どこまで固ければ正解ですか?

国土交通省は「前向きのチャイルドシートの場合は、取り付けられたチャイルドシートの上端部に前方向に力を加えても大きく動かないよう(約3cm以下が目安)しっかり固定しましょう。」としています。警察庁とJAFの2026年調査では、取付けミスユースの最多は乳児用47.4%・幼児用57.5%の「腰ベルトの締付け不足(張力50N未満)」でした。同調査は膝などで体重をかけて座面に沈み込ませてから締めることを勧めています。

安全基準に適合した製品かどうかは、どこで見分けますか?

国土交通省は「チャイルドシートの現行の安全基準に適合しているものには、製品にEマークが添付されています。このマークを確認して購入するようにしましょう!」としており、型式指定を受けたものは「チャイルドシートの背面や側面に型式指定マークが貼り付けられています」と案内しています。また「補助用具」等と表示された商品は基準に適合していない場合があるとしています。同省がインターネット通販で販売されていた未認証チャイルドシート7製品を購入して検証したところ、国の安全基準に適合していないことが確認されています。

チャイルドシートを譲り受けるときの注意点は?

国土交通省は、事故歴の有無、外観の傷み、製造期間、部品完備、説明書の有無、車との適合性を確認するよう案内しています。協定規則第129号は、帯部やハーネスを除く本体に製造年を消えないように表示することを求めているため、本体の表示で製造年を確かめられます。

本ページは選び方・適合の一般的な解説です。個別製品が特定の車に適合することは保証しません。法令・基準・経過措置の内容は改正されることがあります。必ずメーカーの適合表と、チャイルドシート・車それぞれの取扱説明書でご確認ください。

出典

(公式の一次情報に基づき随時見直します)