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エンジンオイルの選び方:粘度と規格の合わせ方

オイル選びの軸は「粘度(0W-20 など)」と「規格(API/ILSAC)」の2つです。 どちらも車の取扱説明書の指定に合わせるのが基本で、規格は新しいものほど古い車にも使える(後方互換)——この原則さえ押さえれば迷いません。API・自動車メーカー公式の一次情報で整理します。

粘度表記(SAE)の読み方:0W-20

「0W-20」のような表記は SAE 粘度分類で、2つの数字が別々の性能を表します。

「ハイフンを挟んで左側の数字は、低温時の粘度で小さいほど柔らかく低温始動性に優れます。このWはWinterの意味です。右側の数字は高温時の粘度で、小さいほど柔らかく低燃費性に優れます。」(Honda)

API(米国石油協会)も、粘度は「ある温度でのオイルの流動能力の指標」であり、車両メーカーの推奨に従うべきとしています("Follow your vehicle manufacturer's recommendations on SAE oil viscosity.")。

規格:API・ILSAC・JASO の違い

  • API(Sカテゴリー)=ガソリン乗用車用の性能規格。SP・SN・SM… と並び、新しいほど後方互換です。
    「最新のILSAC標準またはAPI Sカテゴリーは、それ以前の各カテゴリーの性能要件を含んでおり、旧いカテゴリーが推奨されていた古いエンジンにも使用できる。」(API)
  • ILSAC(GF-6/GF-7 など)=日米自動車メーカー共同の規格で、APIの性能に省燃費要件を加えたもの。適合品には「スターバーストマーク」の表示が認められます(Honda)。※ ILSAC GF-6A/6B は 2026年10月1日に廃止予定で、以降は GF-7 系が最新です(API資料 2025年4月版時点)。
  • JASO=日本の自動車技術会が定める日本独自の規格。ただし主対象は二輪車用4サイクル油(MA/MA1/MA2/MB)とディーゼル油(DH/DL)で、四輪ガソリン乗用車の主規格はあくまで API/ILSAC です(混同しないよう注意)。

適合の考え方:粘度+規格を「指定どおり」に

メーカーは粘度だけでなく満たすべき規格まで指定しています。たとえばトヨタの車種マニュアルには次のようにあります。

「API規格SP/RC、SN PLUS/RC、SN/RCか、ILSAC規格に合致したオイルをご使用ください。」(トヨタ)

粘度は指定を基本としつつ、メーカー自身が代替を案内する場合もあります(例:トヨタの一部車種で「0W-20が入手困難な場合は5W-30も使用可」)。 迷ったら取扱説明書の指定粘度・規格に合わせるのが最も確実です。

化学合成油・部分合成油・鉱物油の性能差は、一般に語られる通説はあるものの、規格団体・メーカー公式による明確な定量的定義は確認できませんでした。本ページでは断定を避けています。

間違えやすい落とし穴

  • 「新しいAPI規格は旧車に使えない」は誤解:最新規格は後方互換で、旧規格指定車にも使えます(上記API引用)。
  • 逆に古い規格を新車に使うのは不可:APIは SH 以前を「Obsolete」とし、
    「1996年以降に製造された多くのガソリン車には適さない。スラッジ・酸化・摩耗に対する十分な保護を提供しない可能性がある。」(API、SHの注意書き)
  • 四輪用オイルを二輪に流用しない:クラッチ滑り・ギヤ耐久性低下のおそれ(JASO T903 の趣旨)。二輪は MA/MB 適合を確認。
  • ディーゼル用(API C系・JASO DH/DL)とガソリン用(API S系)は別体系:C系は「ガソリン車の要求性能をすべて満たすとは限らない」とAPIが明記。指定に従ってください。

よくある質問

「0W-20」「5W-30」の数字は何を表していますか?

ハイフンの左側(0W・5Wなど)は低温時の粘度=始動性、右側の数字(20・30など)は高温時の粘度を表します。Wは「Winter(冬)」の意味で、左が小さいほど低温始動性に優れ、右が小さいほど高温時に柔らかく低燃費寄りになります(Honda公式)。最終的な適合粘度は必ず車の取扱説明書で確認してください。

取扱説明書の指定と違う粘度を入れても大丈夫ですか?

自動車メーカーは基本的に車種ごとに指定した粘度・規格のオイルを使うよう案内しています。ただしトヨタの一部車種のように「指定粘度が入手困難な場合は別の適合粘度も使用可」と明記されている例もあります。指定外粘度の可否や影響は車種・使用条件で異なるため、必ず取扱説明書またはディーラーでご確認ください。

API規格が新しい(SPなど)なら古い車に入れても平気ですか?

APIの公式資料では、最新のAPI SカテゴリーやILSAC標準は「それ以前の各カテゴリーの性能要件を含み、旧カテゴリーが推奨されていた古いエンジンにも使用できる」とされています。つまり新しい規格は原則として後方互換です。逆に古い規格(SH以前)のオイルを新しい車に使うのは非推奨とされています。

四輪車用のエンジンオイルをバイク(二輪車)に使えますか?

注意が必要です。四輪用として低粘度・低摩擦化された省燃費オイルを、エンジン・クラッチ・変速機で油を共用する二輪車(湿式クラッチ)に使うと、クラッチ滑りやギヤ耐久性低下のおそれがあると自動車技術会系の公式文書に明記されています。二輪車には別途 JASO T903 の MA/MB グレード適合を確認したオイルを選びます。

API/ILSAC/JASO は各国の業界団体が定める民間規格で、随時改定されます(例:ILSAC GF-6→GF-7 への移行)。本ページは規格・粘度の一般的な解説で、個別車種への適合や指定外オイルの使用可否を保証するものではありません。購入前に必ず自車の取扱説明書の最新の指定をご確認ください。

出典

(公式の一次情報に基づき随時見直します)