ヘッドライトのバルブ規格と選び方
バルブ選びは、①型式(口金形状・用途)を合わせる ②保安基準の色・明るさを満たすの2軸で考えます。 「型式が同じ=そのまま車検に通る」とは限らない点も重要です。国土交通省・メーカー公式の一次情報で整理します。
型式の考え方:H系・HB系・D系
型式は口金(ソケット)形状と用途で決まり、似ていても互換性はありません(KOITO公式の型式表より)。
- H4:2灯式ヘッドランプ用のダブルフィラメント(1本でロー/ハイ兼用、口金P43t-38)。
- H11:4灯式ヘッドランプ用/フォグランプ用(シングル、PGJ19-2)。
- HB3(9005)=ハイビーム専用、HB4(9006)=ロービーム専用(4灯式)。
- H8:フォグランプ専用(PGJ19-1)。
- D2S/D4S=プロジェクター用、D2R/D4R=リフレクター用(HID)。
「HIDバルブの種別 D4タイプ・D2タイプはそれぞれ互換性がありません。ご購入前にお車のバルブ形式を必ずご確認下さい。」(KOITO)
保安基準:色・明るさ(前照灯とフォグで違う)
灯光の色・明るさは、道路運送車両の保安基準(第32条・第33条)が細目告示(第120条・第121条)に委ねています。ポイントは前照灯とフォグで色の基準が違うことです。
「走行用前照灯の灯光の色は、白色であること。」(告示第120条)
「前部霧灯は、白色又は淡黄色であり、その全てが同一であること。」(告示第121条)
- ヘッドライト(ハイ・ロー・配光可変)=白色のみ。黄色は不可。
- フォグ(前部霧灯)=白色または淡黄色(黄色)もOK。
- ハイビームは「前方100mの障害物を確認できる性能」、合計光度は「430,000cdを超えない」。ロービームは「他の交通を妨げない」ことと「前方40m」の視認性能。
LED/HID化の注意点
「車検対応品」でも、次の理由で不適合になり得ます(Philips・KOITO公式)。
- そもそも通らない可能性がある:「LED アップグレードが取り付けられている車は、車検に通らない可能性があります。」(Philips)。バルブメーカー自身が可能性を明示しています。
- 法規は自分で確認する必要がある:「自動車用 LED バルブの使用については各国の自動車関連法規が異なる為、ご自身でご確認の上装着、使用願います。」(Philips)。
- 灯具の劣化:レンズ・リフレクターの劣化で本来の光量が出ず不合格になり得る。
- 形状・スペース/適合表:純正と形状が違うため装着スペースと車種別適合表の確認が必須。「適合車種以外に取付けた場合、車検に通らない場合がある」(KOITO)。
- ADASへの影響:「カメラ・ミリ波レーダー等の先進技術は純正バルブ前提で設計されており、社外品で正常に動作しなくなる恐れがある」(KOITO)。
間違えやすい落とし穴
- 型式が同じでも配光がずれる:純正と発光部の位置・形状が違う社外品は、光軸・カットラインがずれて基準を満たさないことがあります。
- 前照灯とフォグの色基準を混同:ヘッドは白のみ、フォグは白/淡黄色。
- 「車検対応」は“絶対通る”ではない:車両状態・検査場によって結果が変わります。
よくある質問
H4とH11はどう違いますか?自分の車にはどちらが合いますか?
KOITO公式の型式表では、H4は「2灯式ヘッドランプ用」のダブルフィラメント型で、1本でロー/ハイを兼用します。H11は「4灯式ヘッドランプ用・フォグランプ用」のシングル型で、4灯式車ではハイ用(HB3等)とロー用(H11等)が別々のバルブになるのが一般的です。どちらが合うかは車種の設計で異なるため、必ず取扱説明書・車種別適合表・現物のバルブ形状で確認してください。
フォグランプを黄色(イエロー)にしても車検に通りますか?
国交省の告示第121条は「前部霧灯は、白色又は淡黄色であり、その全てが同一であること」と定めており、フォグに限っては淡黄色(黄色)も認められます。ただしヘッドライト(前照灯)は告示第120条で白色のみが適合で、黄色は不可です。フォグとヘッドライトで色の基準が違う点に注意してください。
「車検対応」のLED/HIDに替えれば必ず車検に通りますか?
必ず通るとは限りません。Philipsは自社サイトで「LEDアップグレードが取り付けられている車は、車検に通らない可能性があります」と明記し、法規は各国で異なるため装着前に自分で確認するよう案内しています。KOITOも適合車種以外への取り付けは車検に通らない場合があるとしています。装着車両側の灯具(レンズ・リフレクター)の劣化で光量が出ないケースもあるため、不適合時は元のハロゲンに戻して再検査する運用になります。
HIDのD2SとD4Sは何が違いますか?
KOITO公式によると、末尾のS/Rが灯具の光学方式を表し、D2S/D4Sは「プロジェクター(レンズ集光)ヘッドランプ用」、D2R/D4Rは「リフレクター(反射鏡)タイプ用」です。またD2タイプとD4タイプは口金が異なり、ハロゲンも含めて相互に互換性がないため、購入前に車両のバルブ形式を必ず確認してください。
保安基準・告示は改正されます。バルブの適合は車種・年式・グレードで異なります。本ページは規格・基準の一般的な解説で、個別車種への適合や車検合格を保証するものではありません。購入・整備前に、現車のバルブ形式・車種別適合表と、国土交通省の最新の基準をご確認ください。
出典
- 国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第120条(前照灯等)(取得 2026-07-12)
- 国土交通省 同 告示 第121条(前部霧灯)(取得 2026-07-12)
- e-Gov法令検索 道路運送車両の保安基準(第32条・第33条)(取得 2026-07-12)
- KOITO(小糸製作所)ハロゲンバルブの型式・HID/LED 製品情報と注意(取得 2026-07-12)
- Philips 自動車用LEDバルブ(車検の可能性・各国法規の確認についての注意)(取得 2026-08-02)