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ブレーキフルードのDOT規格(DOT3/DOT4/DOT5)と沸点の違い

ブレーキフルード(ブレーキ液)の缶に書かれた「DOT3」「DOT4」といった記号は、 主に沸点の規格(グレード)を表します。ブレーキは摩擦熱でフルードが高温になるため、 沸点が下がるとベーパーロック(気泡でブレーキが効かなくなる現象)の危険があります。 ここでは米国連邦規則(FMVSS 116)とメーカー公式の一次情報で、規格の違いと選び方・交換の要点を整理します。

まず自車の指定を確認。使う規格・銘柄は車両メーカーの指定が最優先です。 取扱説明書やリザーバータンクキャップの表示を確認し、指定と異なる規格へ自己判断で変えないでください。 とくにDOT5(シリコン系)はグリコール系と混用不可です。

沸点の早見表(FMVSS 116 の最低基準)

規格ドライ沸点(最低)ウェット沸点(最低)種類
DOT3205℃(401°F)140℃(284°F)グリコール系
DOT4230℃(446°F)155℃(311°F)グリコール系
DOT5260℃(500°F)180℃(356°F)シリコン系(SBBF)

数値は米国連邦規則 FMVSS 116(49 CFR 571.116)の最低基準です。実際の製品はこれ以上の性能を持つものもあります。DOT5.1 は名前が紛らわしい別グレードで、DOT5(シリコン系)とは扱いが異なります——番号だけで同一視しないでください。

「ドライ沸点」と「ウェット沸点」——吸湿で下がる

ドライ沸点は新品時、ウェット沸点は水分を吸った状態での沸点です。 ブレーキフルードは吸湿性があり、時間とともに水分を吸ってウェット沸点まで性能が落ちていきます。ENEOSは次のように説明します。

「(長期使用で)水分を吸収し、その水分が沸騰し気泡が(発生する)」(ENEOS)
「ブレーキ能力の低下につながります」(ENEOS)

この気泡がベーパーロックで、ブレーキが効きにくくなる原因です。だから「新品時の沸点が高い」だけでなく、吸湿した液を定期的に入れ替えることが安全に直結します。ENEOSは劣化が部品の「サビや腐食」やゴム部品の劣化を早めるとも案内しています。

DOT5(シリコン系)は“別物”——混ぜない

同じ「DOT」でも、DOT5だけはシリコン系です。FMVSS 116 はDOT5を 「A silicone base brake fluid (SBBF)」と定義しており、DOT3/DOT4/DOT5.1などのグリコール系とは化学的に別物です。 グリコール系指定の車にシリコン系を入れる・混ぜるのは不可で、番号の大小=上位互換とは限りません。 規格を変える必要がある場合は、必ず車両メーカーの指定・案内に従ってください。

自車の指定と、液量の点検

使うべき規格は車種で決まっています。Hondaは指定フルードの使用にあたり

「取扱説明書をご確認の上、ご使用ください」(Honda)

と案内しています。あわせて、リザーバータンクの液量が

「上限(MAX)と下限(MIN)の間にある」(Honda)

かも点検します。液量が減っている場合はパッドの摩耗や漏れの可能性もあるため、点検・整備を受けてください。 関連して、ブレーキパッドの残量や警告灯はブレーキパッドの交換目安と点検、 冷却水など他の油脂類は冷却水(LLC)の種類・色・補充と交換もどうぞ。

よくある質問

DOT3の車にDOT4を入れてもいいですか?

自己判断で規格を変えないのが原則です。DOT4はDOT3より沸点の規格が高いですが、指定と違う規格に変える可否は車両メーカーの指定によります。Hondaも「取扱説明書をご確認の上、ご使用ください」と案内しています。まずは取扱説明書やリザーバータンクキャップの表示で自車の指定規格を確認してください。

DOT5とDOT5.1は同じですか?

別物です。DOT5は「シリコン系(SBBF)」で、DOT3/DOT4/DOT5.1などのグリコール系とは化学的に異なり、混ぜてはいけません(米国連邦規則FMVSS116)。一方DOT5.1は名前が紛らわしいものの高規格グレードで、DOT5(シリコン系)とは扱いが異なります。番号だけで判断せず、必ず自車の指定規格に従ってください。

ドライ沸点とウェット沸点は何が違いますか?

ドライ沸点は新品(吸湿していない状態)、ウェット沸点は水分を吸った状態での沸点です。ブレーキフルードは吸湿性があり、使ううちに水分を吸ってウェット沸点まで下がっていきます。だから「新品時の沸点が高い」だけでなく、定期交換で吸湿した液を入れ替えることが安全上重要になります。

ブレーキフルードはなぜ定期交換が必要なのですか?

ENEOS公式は、ブレーキフルードが長期使用で「水分を吸収し、その水分が沸騰し気泡が」発生し、これが「ブレーキ能力の低下につながります」(ベーパーロック現象)と説明しています。また酸化・劣化はブレーキ部品の「サビや腐食」やゴム部品の劣化を早めます。交換時期は車種の指定に従ってください。

自分の車の指定規格はどこで分かりますか?

取扱説明書、またはエンジンルームのブレーキフルードリザーバータンクのキャップ表示で確認できます。あわせて液量が上限(MAX)と下限(MIN)の間にあるかも点検します(Honda公式)。指定と異なる規格・銘柄を使うと不具合の原因になり得ます。

本ページは規格の一般的な解説です(確認日 2026-07-13)。日本で販売される製品はJIS(自動車用非鉱油系ブレーキ液)やDOTの表示を持ちますが、 自車に使える規格・銘柄・交換時期は車両メーカーの指定で決まります。ブレーキは安全に直結する部位です。 交換・補充や規格の判断に迷う場合は、取扱説明書の確認のうえ、整備工場・ディーラーにご相談ください。

出典

(公式の一次情報に基づき随時見直します)